シティボーイズミックス『NOTA〜恙無き限界ワルツ』

開演後、上手から優雅でチープな山車が現れた瞬間「おおっ!!」と胸が踊り始めた。
このテンポ、この流れ。私が好きだったライヴが帰って来たかもしれない。
タイトルクレジットの「ピクニック」の映像でそれは確信となり「熊鍋屋」の久しぶりの3人のみのコントを
しょっぱなに持って来るところを観てそれは実感となった。
ここ数年、冒険をして来たシティーボーイズミックス。
その冒険心はわかるのだがなんとなく無理してるぅ〜、というか力み過ぎといおうか。彼らの舞台じゃないようななんだか寂しい思いをしていたのは確かだった。

熊鍋屋で準備運動の後ウエットスーツで徘徊(?)する大竹さんの映像でもう、顔が綻ぶのが止められない。(ちなみにあの映像の中、八百屋で大竹さんはフキを買っているのに 気付きましたか?)
そしてなんと言っても今回のツボは『アメリカ式システム開発(?)室』(勝手に命名
このダメさ加減を私は期待していたのです。パソコンのエラー音が断続的に鳴り続けるダメさ丸出しの部屋。孤高の突っ込みの大竹室長にその他メンバーのボケ合戦。-「フリーズします。」-「タヒチ。」(このネタは斎木さんがトチったので結局わからず)-「恥ずかしい画像。」-「逆立ち。」-「生クリーム。」-「スコーン。」-「かえるの鳴り物。」
ああ、思い出すだけで独り笑い。
最後に大竹室長が自分で段ボールを持って来て仕切りを作る辺もまさにツボは入りまくりです。

『首の皮一枚ショー』の斎木さんの外国の絵本の出て来るような姿の司会者ときたろうさんと大竹さんの自作小道具(?)を持っての熱唱(?)「地上の星」。
中村さんのASIMO
『最後の貴族』の大竹さんの大正琴
『シーソー公園』の「NO WAR!」「キダムが来ますっ!」(大竹さんのジャンプする姿が形になっていて美しかったです。)
待ってましたついに、ピーターパンのフライング技術を使ったちょうちょの宙乗り!(これは、私だけのツボです。すみません)
斎木さんの鳩。

ああ、こんなに思い出し笑いができるのは久方ぶりだ。
どれをとってもダメさ加減がいい感じ。
こんな感じのちょっとだけズレてしまった
どうしようもないダメさ加減が愛おしくって仕方ない。

女性陣もいい感じで好き嫌いがあると思うが五月女さんのあのユルさ、私は結構好きなタイプだ。遊園地再生事業団に出て来そうなタイプで『ヒネミ』の安彦麻理絵を思い出させる。(イラストレーターだし。)

意地悪を言えば観客のアンケートや感想をリサーチして安心できる「『守り』に戻ったな」とも言えなくもないのだが今年は舞台上のメンバーは媚びることなく本気で楽しそうだったので、その辺はいいんじゃないかなぁなんて。
欲を言わせてもらえばやっぱり、3人だけでのライヴが観たい。
そう言った意味での『挑戦』をして欲しい。皆さんが元気なうちに(笑)是非。

今年の超個人的プチ批評はこんな感じでございます。はい。